肩の痛みがあると「五十肩ですね」と言われることは少なくありません。
しかし実際には、肩関節周囲炎と思われていた症状の中に、石灰沈着性腱板炎が含まれているケースは臨床上珍しくありません。
この2つは似ている部分もありますが、本質的には異なる病態であり、対応の優先順位も変わります。
そしてここを誤ると、「運動していい時期ではないのに運動してしまう」
「逆に動かすべき時期に安静にしてしまう」といったミスマッチが起こります。
肩関節周囲炎とは何か
肩関節周囲炎は、明確な単一の損傷ではなく、肩関節周囲組織の炎症や拘縮を背景にした機能障害の総称です。
特徴としては、
可動域制限が徐々に進行し
夜間痛が出現しやすく
動かす方向によって痛みが変わる
といった経過を辿ることが多く見られます。
病期によっては、炎症優位の時期と拘縮優位の時期があり、介入方針が変化します。
石灰沈着性腱板炎とは何か
一方、石灰沈着性腱板炎は、腱板内に石灰が沈着することで急激な炎症を引き起こす状態です。
特徴的なのは、
突然の激痛
安静時でも強い痛み
腕を動かせないほどの急性症状
など、発症様式が急激である点です。
肩関節周囲炎のように「徐々に悪くなる」よりも、「ある日急に強く痛む」ことが多いのが臨床的な違いです。
なぜ誤診が起こるのか
両者は共通して
肩の挙上困難
夜間痛
日常生活動作の障害
を呈するため、画像評価を伴わない場合には臨床的に区別が難しい場面があります。
特に初期の肩関節周囲炎と、吸収期以外の石灰沈着は、症状だけでは判断が困難なケースも存在します。
その結果、
石灰沈着性腱板炎なのに
「五十肩だから動かしましょう」
と指導されてしまう可能性があります。
しかし石灰による急性炎症期に過度な運動刺激を加えると、疼痛増悪を招くことがあります。
運動介入の観点から見た重要性
肩の痛みに対して運動が有効である場面は多く存在します。
ただしそれは
適切な病期
適切な病態評価
が前提です。
例えば肩関節周囲炎では拘縮期に可動域改善のアプローチが重要になりますが、
石灰沈着性腱板炎の急性期ではまず炎症コントロールが優先されることもあります。
つまり、「肩が痛い=同じ対応」ではありません。
当施設での考え方
当施設では、肩の痛みに対していきなり運動を行うのではなく、
症状の経過
疼痛の性質
可動域の特徴
日内変動
などを丁寧に評価した上で、運動介入の可否や強度を判断しています。
ただし重要なのは、
私たちは医師ではないという点です。
石灰沈着の有無や組織レベルの診断は、画像評価を含め医療機関での判断が最優先となります。
そのため、急激な痛みや強い炎症が疑われる場合には、まず医療機関の受診を推奨しています。
医療機関との併用が重要です
肩の痛みは「動かすべきもの」と「安静が必要なもの」が混在します。
誤った自己判断により、
改善が遅れる
症状が長期化する
といったケースもあります。
適切な診断を医療機関で受けた上で、
機能改善の段階において運動療法を併用することが、安全かつ効果的な選択となります。
肩の痛みでお悩みの方は、「すべて五十肩」と捉えるのではなく、病態の違いを理解することが重要です。
当施設では、医療判断を尊重しながら、安全な範囲での機能改善サポートを行っています。
天白区で肩の痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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