歩くってただの移動じゃない?歩行の仕組みとトレーニングのヒント

 

こんにちは

Studio Hackトレーナーの吉田です。

今回は、歩行について!!


歩くことって、日常では当たり前すぎて意識しませんよね。

でも実は、歩行は体の原始的な基本動作であり、健康や運動パフォーマンスに直結する重要な動きなんです。

今日は「歩行の仕組み」と「歩行機能の低下が引き起こす問題」、

そして簡単なトレーニングの考え方をお話します。

 

1. 歩行は原始動作

歩くことは「スキルとして学ぶもの」ではありません。
人間が生まれながらに持つ動作のひとつで、赤ちゃんでも立たせると自然に足を動かす「歩行反射」が見られます。

歩行は、呼吸や寝返り、這い這いといった生きるための基本動作の延長で、

体幹・肩・股関節・足が協力して行う複雑な動きです。

 

2. 直立二足歩行の特徴
①エネルギー効率が良い
重心を使った自然な動きで、少ない力で前に進めます。


②姿勢制御が必要
重心が高く不安定なため、バランスを保つには筋肉や感覚系が常に働きます。


③パッセンジャーとロコモーター
・ロコモーター:脚や骨盤など「運ぶ役割」
・パッセンジャー:体幹や腕など「姿勢を保つ役割」
上半身が安定していないと、脚だけで歩こうとして疲れやすくなります。


④動歩行と静歩行
・静歩行:重心を安定させて一歩ずつ歩く
・動歩行:重心を完全に支持せず勢いを利用して歩く
日常やスポーツでは、状況に応じて両方を使い分けます。

 

3. 歩行と感覚システム

歩くには、複数の感覚が協力しています。
1. 体性感覚(足の感覚)
足の裏から「どのくらい踏み込んでいるか」「地面は硬いか柔らかいか」を脳が感じ取ります。
2. 視覚(周辺視野)
周りの景色の動きや距離を認識し、バランスや進む方向を調整します。
3. 前庭覚(重力・加速度の感覚)
耳の奥の器官が頭の傾きや加速を感知。目を閉じてもフラフラせずに歩けるのはこのおかげです。

 

4. 歩行機能の低下が引き起こす問題

歩き方が乱れると、ただの「疲れやすさ」だけでなく、体の各部位に負担がかかり慢性的な痛みやケガの原因になります。

例えば:
・膝や腰に負担がかかる
・足底筋膜炎やアキレス腱炎になる
・股関節や膝の代償動作で腰痛が悪化

歩行の問題は、日常生活(ADL)やスポーツパフォーマンス、にも直結します。

 

5. 歩行トレーニングのポイント

筋力だけを鍛えても、歩行の効率は改善しません。重要なのは制御力です。
・踵接地(ヒールロッカー):踵から着地する感覚を意識
・立脚中期(体重移動):膝や股関節を安定させる
・プッシュオフ(前足の蹴り出し):つま先で地面を押す感覚を身につける

また、足裏の感覚や視覚、バランス感覚を組み合わせると、より自然で効率的な歩行が可能になります。

 

歩行が変わるだけで、日常の疲れや運動中のパフォーマンスが変わります。

意識的に練習しても難しいので、足りない要素を担保しながら

段階的に改善する必要があります!