腰痛は「腹筋が弱いから」だけではありません

名古屋市天白区原

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パーソナルトレーニングスタジオ Studio Hack 吉田隼大です。

 

腰痛があると、多くの人は「体幹が弱いのかな」「腹筋を鍛えないと」と考えます。

実際、病院やネットでもそう言われることが多いので、そう思ってしまうのは自然なことです。

ただ、慢性的な腰痛に関しては、それだけでは説明がつかないケースがたくさんあります。

 

そこで出てくるのが「多裂筋(たれつきん)」という筋肉です。

多裂筋は、背骨のすぐ横に沿うようについている、とても小さな筋肉です。

いわゆる腹筋や背筋のように体を大きく動かす筋肉ではなく、背骨一つひとつの動きを細かく調整する役割をしています。

目立たない存在ですが、背骨がグラグラしないように支える、いわば縁の下の力持ちのような筋肉です。

 

この多裂筋の特徴は、「強く力を出すこと」よりも「タイミングよく働くこと」が重要だという点です。

動き始めの一瞬、姿勢が変わるその直前に、さっと働いて背骨を安定させる。多裂筋はそんな仕事をしています。

ところが腰痛が続くと、人の体は無意識のうちにその部分を守ろうとします。

痛みや不安があると、体は「ここは危ない」と判断し、できるだけ動かさないようにします。

その結果、多裂筋は使われなくなり、働くタイミングもずれていきます。

 

こうした状態が長く続くと、MRIなどの画像検査で「多裂筋が脂肪に置き換わっている」ことが確認される場合があります。

これが、よく言われる「多裂筋の脂肪浸潤」です。この言葉を聞くと、

「筋肉が脂肪になったのなら、鍛えなければ」と思う人がほとんどでしょう。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

 

多裂筋が脂肪浸潤している状態は、単純に筋力が落ちているというよりも、

「うまく使えなくなっている」状態に近いのです。

力を出す以前に、必要なときにスイッチが入らない。あるいは、逆にいらない場面で緊張してしまう。

これは筋トレだけでは解決しません。

 

例えるなら、ブレーキの効きが悪い車に対して、エンジンだけを強くするようなものです。

確かにスピードは出るかもしれませんが、安心して走れる状態にはなりません。

腰も同じで、安定する前に筋力だけを足すと、かえって不安定さや痛みが強くなることがあります。

 

実際に、体幹トレーニングや腹筋運動を頑張った結果、腰痛が悪化したという人は少なくありません。

それは努力が足りないからではなく、順番が違っているだけです。

多裂筋にとって本当に必要なのは、いきなり鍛えることではありません。

まずは、背骨が「安全だ」と感じられる状態を作ること。

過剰に力んでいる筋肉を落ち着かせ、小さな動きや呼吸を通して、

体にもう一度正しい動きを思い出させていくことが大切です。

 

面白いことに、こうした土台が整ってくると、多裂筋は特別な筋トレをしなくても自然と働き始めます。

動きが安定し、怖さが減ることで、「あ、ここは使っていいんだ」と体が理解するからです。

その結果として、多裂筋の活動が戻り、腰の負担も軽くなっていきます。

 

腰痛対策というと、「何を鍛えるか」に意識が向きがちですが、

本当に大切なのは「どう使える状態にするか」です。

多裂筋が脂肪浸潤しているからといって、焦って筋トレを始める必要はありません。

もし今、運動を頑張っているのに腰が楽にならないと感じているなら、

それはあなたの体が弱いのではなく、体が必死に守ろうとしているサインかもしれません。

腰痛は、努力の量ではなく、順番を見直すことで変わることが多い症状なのです。

 

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